同期が福岡に来た

一昨日と昨日,大学院の同期が大阪から車で来て,家に一泊して帰って行った.一昨日夕昼過ぎに来ると聞いていたけれど,当日になってみると眠かったので無理だったという返事が来て,あちらを昼頃に出発したらしい.到着が11時くらいになるかもという連絡を受けていたが,11時になると「深夜割引があるのでそれまで最寄りのサービスエリアで待つ」という連絡が来て,結局到着したのは12時半くらいだった.残り物のカレーを食べさせてから,3月が誕生日だったので作っておいたケーキとコーヒーを飲んで,ゲストルーム兼書斎に敷いた布団で寝てもらってその日を終えた.

翌日の出発時間も決まっていなかったので,流れで10時くらいに起床して朝食を食べてから出発した.もうひとり,福岡に就職した同期がいたので福岡市内のアパートに車で迎えに行って,それから大阪の同期が行きたいと言っていた田川市にあるというチロルチョコレートのアウトレットに行くことになった.大阪の同期はWeb会議があるというので後部座席で1時間ほどパソコン作業をし,その間田川市に向かって福岡の同期と車を走らせる.田川市に入ってからは街の雰囲気がどことなく澱んでいて,昼食を取るために立ち寄ったうなぎ屋は,ガレージのサビや店構えの古ぼけた感じに不安になったが,うなぎは驚くほど美味しかったので安堵した.本棚にあった炭鉱の写真を手に取る.田川市で育った人が撮影した,炭鉱の労働者の生活と,爆発事故の葬儀の様子,労働運動と閉山の記録がとても良かった.

うなぎ屋を後にしてチロルチョコのアウトレットに向かう.Googleのナビに従ってチロルチョコの看板に従って工場にたどり着いたが,そこではなかった.アウトレットは本通りにあるセブンイレブンとおしゃれなパン屋が軒を連ねる横長の平屋で,二軒に挟まれた間口2メートルほどの小さな販売所で,拍子抜けした.中に入ると同じ種類のチロルチョコが50個ほど入った袋が五百円で売られており,在庫は三種類だけしかなかったので3人で三袋購入して分け合うことにした.隣のセブンイレブンでコーヒーを購入して戦利品のチロルチョコと一緒に流し込んだ.

チロルチョコの用事が一瞬で終わってしまった.田川市には石炭・歴史博物館というものがあるらしく,そこに行くことに.平日に若い男性グループが来ることが珍しいのか,受付の女性からどこから来たのかと尋ねられた.展示は炭鉱の労働者の生活が主なのだろうかと思っていたら,石炭の科学技術的な記述をフィーチャーしており,最初は地質学・化学的な話から始まり,屋外にある炭鉱の重機などを挟んで,最後は当時最新の石炭火力発電の紹介で終わっていた.炭鉱を再現したセットに置かれたマネキンの悲痛な労働の様子や,生活を移したビデオの様子ももちろん展示されており,それらが混ざって不思議な様子ではあった.2階には炭鉱の生活を描いた独特のタッチの絵と,縄文時代の石器や土器から現代の浄瑠璃の文化までを展示している展示室があり,全部見ていたら夕暮れの閉館の時間になっていた.

それから福岡市に戻ってもつ鍋を食べることになった.朝の出発の時に別れた恋人ともつ鍋やで合流して4人で食事をすることになり,店に入って少しすると彼女が入ってきて福岡の同期を紹介する.大阪の同期と恋人は関西で2回ほどあっており,定期的に連絡もとっていたので初対面はその二人だけだった.最初は堅かった福岡の同期の様子も放っておくとほぐれてきて,大阪と福岡の同期で騒いでいる様子を,理系の男の子特有のノリだと言って恋人は結構面白がっていたらしい.同期たちは近くのスーパー銭湯に行って向こうの家に泊まるらしいので,僕は恋人と一緒に帰ることにしてその日は終了した.