バイクをフェリーで運んだ

しばらく移動続きでバタバタしていて,一人で落ち着いた時間が取れたので,少しだけ書いてみようと思う.書くことはたくさんあるけれど,とりあえず直近のフェリーに乗車するところを書いておくことにしようか.

大学院修士の頃から乗っていたバイクを持っていたが,京都に来てからはほとんどがバスと電車で事足りていたので,3年ほど乗らずに大学の駐輪場に置きっぱなしになっていた.福岡に引っ越すにあたって交通手段が必要になることから,再度整備をしてとりあえず動くようにし,陸運局に手配して福岡ナンバーを取得して動かすことになる.同時に,大阪の大学院の同期から,一通り整備したバイクを要らないかということを聞かれて,恋人がちょうどバイクの免許を持っていたので恋人のバイクとして取得することになった.バイク便を使って輸送してもらおうと思うと1台数万円かかってくるので,福岡に戻る時に恋人と一緒にフェリーで運んでしまおうということになったのだった.

フェリー搭乗の当日は,研究室に顔を出してバイクへのナンバーの取り付けや給油をやってコーヒーを飲んでいた.准教授に借りていた研究室OBの博士論文を返しにいって雑談をしていると,昼ごはんを奢ってもらえることになり大学校内のちょっといいレストランでランチをご馳走になった.

准教授に礼を言って別れて,まずは,大阪の大学の同期からのバイクの受け取りをするために,京都から大阪へ2時間ほどかけてバイクで向かう.久しぶりのバイクでの遠出だったのでバイクの調子を心配していたが,セルスタートが若干もたつく以外は不調も見られなかったので安心して大阪へ向かった.大阪の大学の最寄駅に来ていた恋人を拾って,同期との集合場所へ向かう.バイクを無事に受け取り,バイクの操作方法について話を聞き,恋人が運転に問題なさそうだったことを確認してとりあえず別れる.譲ってもらったバイクはセルの調子が悪く,キックスタートしないといけなかったので恋人が手間取っていたが,慣れればどうにかなるだろうと思ってそのまま出発した.

フェリー乗り場に向かって恋人と出発したが,結局その日はフェリーには乗ることができなかった.詳細は割愛するが,簡単にいうと譲ってもらったバイクにはガソリンメーターが付いておらず,さらに譲ってもらった時点でほとんどガソリンが給油されていなかった.そのことを伝えられていない恋人は,ガソリンメーターはどこだろうと思っているうちに,途中でガス欠になってしまったのだった.ガソリンの給油やらで思わぬ時間を取られてしまったので,フェリーにキャンセルの電話を入れて近くのホテルに一泊して翌日のフェリーに延期することにした.翌日に予定がなくて助かった.

翌日も特に予定がなかったのだけれど,恋人がシルクスクリーンのワークショップを手配してくれて,そこでクラッチバックやトートバックにプリントすることをやっていたら,すぐに出発の時間になった.昨日とは打って変わって,道中は順調に進み,心配していた大阪市内の道も難なく通り過ぎて大阪南港へと辿り着く.昼間の道の方が走りやすいので,ギリギリを狙わずにさっさと早めに動いてしまった方が良かったなと思ったりしたが,あの状況では仕方なかったと思って諦めることにした.南港のフェリー乗り場のバイクの待機場に付いて,予約のQRコードを見せるとすぐに乗船が始まったのでバイクに乗って船の中へ.船内は以前に別府にいる時に乗船したサンフラワーと大体同じようなサイズで,銭湯に入って夕食のバイキングをとってすぐに就寝したが,ベッドの中にいても時々ゆれで起きてしまう以外は,概ね快適な道中だったと思う.

朝の4時半に放送がかかり,5時半の着岸に合わせて支度をする.着岸してから安全確認のために少し待たされて,駐車場に降りてからもしばらく待ち,ほかの全ての車両が降りるのを待ってから,係員の誘導に従ってバイクの一団が下船した.朝の6時の門司港の空気は冷たかったが,近くにファミレスもないのでとりあえず2時間かかる帰りの道を進めることにした.途中2回ほどコンビニで休憩をして,寒い寒いと言いながら家のそばに帰り着いた時には心地よい安堵を覚えた.帰り着いてすぐに湯船を張って冷えた体を温めて,船上での睡眠不足と体の疲労をとるために昼過ぎまでの眠りについたのだった.