お金を払って決められた道を走りたい人たちの気持ち

今日は日曜日で,今は夜の8時を過ぎたところ.前々からやろうと思っていたことをこなしていたら気づいたら1日が終わろうとしている.まあ仕方ないか.明日からの3日間でできることをきちんとやることにしておいて,今日は早めに眠りについて備えておくことにしておいたらいいのだろうと思う.

今日は朝11時から散髪の予約があったので,それに合わせて10時に起きて支度をする.寮のLineに,マラソンのために古紙回収が延期になるというメッセージがきており,それならバスにも影響があるのではないかと思って調べたらやはりそうだった.寮の前を通るバスは迂回して西側の山一つ向こうの通りを通っているらしく,そこまで行くのは難しい.仕方がないので,以前に登録しておいたLUUPでいくことにしたが,マラソンに伴う交通規制に3回ほど出会して,その度に大きく外回りに迂回することになり難儀な道程だった.一人で自分のペースで走れば好きなルートを通ることができるのに,わざわざお金を払って決められた道を走りたい人たちの気持ちというのは不思議だ.まあ本人たちが健康維持されて税金も集まるのであればそれでいいか.

早めに出発したこともあって美容室には5分前に着いたが,前のお客さんが長引いているようで5分ほど待つ.本棚にあったTRANSITという雑誌を読んで,海外の習俗についての写真家と文筆家と人類学者っぽい人たちによって作られたセンスのいい紙面が,グローバル企業のブランドの消費財の広告と並んでいるのを見て,なんとなく違和感を感じてしまう.相反する方向性だと思うのだが,この規模の雑誌を商業出版するためには避けられなかったのだろうかと思うと微妙な気持ちになった.危険な代補という言葉を思い出して,デリダだったっけと少し調べたら一応そうだった.ルソーも含めてまた読み直したいと思ったりもする.

担当の美容師は3年前からの知り合いで,研究室の元修士の学生に紹介されて通い始めたのだった.寮の裁判のニュースの話をして,4月から引越しするということを伝えてあとは適当な日常のことを喋ったり,黙って作業を進めてもらったりする.論文の執筆期間でのびた髪をくくれるようにしたいと伝えたら,襟足と耳の上の長さのバランスを調整した後にボリュームを減らしてくれた.美容室を後にする時に,元修士の学生に送るからと言って写真を取られた.今頃向こうでやりとりしているのだろうか.

美容室を出てから,その足で電車で1時間ほどかけて江坂の大塚屋に向かう.次のイベントで使うスクリーンの生地を購入するためにきたのだった.恋人がすでに下見をしてくれていたので,その中で欲しい長さのあるものがほぼ一択だったので,それを購入した.購入自体は一瞬で終わったので,テンポのある駅の周辺で昼食の取れそうな場所を探し,松乃家を久しぶりに目にしたので入ってトンカツ定食を豚汁に変更して食べたのだった.

帰り道は乗り換えで降りた梅田の中古カメラ屋をのぞいたが,メルカリで探せる商品が多そうだったのですぐに退散した.ライカの年季が入ったものは意外とそれほど高くないのだなということが少し印象的だったが,どうせレンズが高いので結局高くなるのだろうと思う.カメラはたくさんあったが暗室関係の機材はほとんどなかったので,欲しい情報は少なかった.

京都河原町駅からは歩いて寮まで向かう.久しぶりに鴨川を散策していると足が滑るように進んでいって気持ちよかった.天気も良かったので河川敷にはたくさんの人々が座って川面を眺めていた.電車の中でミニマル・ミュージックの本を読みながら,本の中で取り上げられているテリー・ライリーのIn Cやスティーブ・ライヒのDifferent trainsを聴いていていて,鴨川でもPiano Phaseだったかの曲を聴いているととても清々しかった.帰り道のドラッグユタカでシリアルやら納豆やらの不足している食料を買い込んで,寮に戻った.今日は多く歩いたので流石に疲れていて,ベッドで少し横になった後に早めに銭湯に行くことにした.いつも満員のサウナが珍しく自分一人だったので,いつも以上に暑かった気がする.ドライヤーで髪を乾かしてさっさと退散して部屋で日記を書いているのが今だ.今日は演出の続きをやろうかと思ったが,もう21時になりそうなので明日に回そうかと思ったりもしている.